生米パンは米粉ではなく生のお米から作るパンです。小麦粉の価格が高騰していて、パンがどんどん値上がりしてきました。小麦や米粉を買って自分で作ろうにも、国産小麦粉や米粉も結構高価です。そんなときに価格が安定しているお米からパンを作ることができたら嬉しいですよね。
生米パンはミキサー(ブレンダー)で作るのが一般的なのですが、うちにはフードプロセッサーしかありません。ミキサーを買う前に、フードプロセッサーでも成功するのか試行錯誤してみました。
ミキサーとフードプロセッサーの違い
ミキサー(ブレンダー)は液体と固体を一緒に撹拌することで液状にすることができる調理機器です。フードプロセッサーは食材を刻んだり混ぜたりするための機器で、液体と固体を混ぜても細かい個体になるだけで、ミキサーのように滑らかな仕上がりにはなりません。
フードプロセッサーで生米パンを作るコツ
先述したようにフードプロセッサーでは生米をペースト状にすることは難しく、細かい米粒が残ってしまいます。米粒がたくさん残ってしまうと、せっかく膨らんだパンが焼成中にしぼんでしまうことがあります。私も何度も失敗し、ピザのようにぺったんこになった生米パンができあがったこともあります。焼きたてはモチモチでそれはそれで美味しいんですけどね。
発酵まではうまくいっていたのに、焼成中に陥没……という失敗を数回繰り返し、ついに綺麗に膨らませる方法にたどり着きました。
とにかくしっかり撹拌すること!
うちではレコルトボンヌというフードプロセッサーを使っているのですが、最初に米とお湯だけでしっかり撹拌するようにしたら、焼成中に萎むことがなくなりました。
30秒撹拌し、飛び散った材料をヘラで落とすというのを5~6セットくらいやるのが目安です。最初はフードプロセッサーのカップの中で高く跳ね上がっていた液体が、撹拌を進めるとあまり飛び散らなくなります。
しっかり撹拌したら他の材料を加えてさらに撹拌します。ヘラで持ち上げたときにリボン状に落ちていくくらい滑らかになります。
きちんと水切りをすること!
お米を浸水させた後の水切りが不十分だと、水っぽくなってしまって上手く膨らまないことがあります。ザルを色々な方向に傾けながらしっかりと水を切りましょう。慣れるまでは水を切った後にお米の重さを計り、きちんと水が切れているか確認します。
ドライイーストの予備発酵をしてみる
米の水切りや撹拌をしっかりしているのに膨らまない場合は、発酵の仕方に問題があるかもしれません。
ドライイーストは予備発酵不要なものも多いですが、それでも予備発酵をすると安定して膨らむパンになります。使いかけで冷蔵庫に置いておいたものなどは発酵不足になってしまうこともあるので、予備発酵させて様子を見ましょう。
生米パンの切り分け方
生米パンを包丁で切ると、上手く切れずにぺちゃんこになってしまったことはありませんか?生米パンを綺麗に切り分けるには、冷ましてから切ることが大切です。
焼きたてを切り分けて食べたいときは、キッチンバサミ等で角に切り込みを入れてから手でちぎるように分けます。
それでも難しい場合はパウンド型ではなくマフィン型等を使って作る方法もあります。
安くて使いやすいおすすめの道具・材料
私はベストコの100mlのスプレーボトルを買いました。コンパクトなので収納スペースに困りませんし、干して乾かすときも邪魔になりません。
ドライイーストは白神こだま酵母ドライを使っています。せっかく手作りするので添加物が入っていないものを選びました。ドライイーストは鮮度が大事なので、あまり頻繁に生米パンを焼かない方は個包装タイプがおすすめです。割高だけど最後まで使えるので結果安上がりだったりします。
普段ケーキを焼いたりしない人は、安くて軽くて錆びないシリコン製のパウンド型がおすすめです。型から外すのも簡単ですし、食洗器にもかけられます。
本格的にお菓子やパンを作りたい人は金属製の方が熱の通りが良いようです。
生米パンのレシピ
私が作っている生米パンのレシピを紹介します。
前述したように水切り後の米とぬるま湯をさきにしっかり撹拌したらその他の材料をいれてさらに30秒ほど撹拌し、パウンド型に入れます。私はシリコンの型を使っているので、内側にバターを塗ってから生地を注ぎます。
発酵はオーブンを40℃に設定して30分ほど。その後オーブンを予熱するのですが、予熱中にも発酵が進むのであまり発酵させすぎないように注意します。
焼く際は霧吹きで表面を湿らせるか、オーブンの天板に水を張って生地が乾燥しないようにします。180℃のオーブンで30分ほど焼くと完成です。
まとめ
生米パンをフードプロセッサーで作るコツと、生米パンが膨らまない場合に試してみるポイントについて紹介しました。
強力粉や米粉を買わなくても気軽に作ることができ、経済的!捏ねる技術もいらないので、ぜひ試してみてください。